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カテゴリー別アーカイブ: メニューの裏側

ムッシュ・ブラン

ホワイトソースというのは、自分で作ろうとするとちょっと難しそうだから、市販の缶詰めなんかですまそうと思いがちですが、実は使う材料は少なく、何よりも安い材料で作れてしまうから自分で作った方が断然お得です。

ただ、きちんと手順を踏まないと失敗もしやすいソースです。綺麗に作ろうとすると若干めんどくさいのも事実です。ここで店で作っているホワイトソースの作り方を紹介します。

基本的にはバターと牛乳と小麦粉でできてしまいます。まずバター、店では発酵バターを使っており、これを弱火にかけ溶かします。溶けたら一旦、火からおろし、小麦粉を入れ混ぜます。小麦粉のだまがなくなったら、火にかけます。火はごくごく弱火です。

ここで、混ぜながら小麦粉の粉臭さがなくなるまで炒めるのですが、ここがポイント、最初はどろどろとしているのですが、次第に泡が出だし(バターの水分が蒸発)、段々とサラサラとした液体になるまで、じっくり炒めます。火が強いとこの状態になるまでに焦げてしまい黒く変色するので、火はごく弱火です。

サラ~としてきたら、火から外します。一方、牛乳は温めておきます。店ではコクを出すために、牛乳にココナッツミルクパウダーを少量加えます。

牛乳が沸騰してきたら、先ほどのバター、小麦粉に一気に加えます。そして泡だて器でしっかり攪拌します。ちょっとどろっとしてきたら、再び火にかけます。火加減は弱火から中火弱で、鍋底にこびりつかないよう掻き混ぜながら煮込みます。

次第に粘度が上がっていくので、最後に塩、こしょうをして完成です。

このようにできたホワイトソースは、グラタンやクリームコロッケなど色々なメニューに応用でき結構重宝します。ソースに直接触れるようにラップをしておけば、しばらく日持ちします。若干手間ですが、何しろ安い材料で作れるので一度挑戦してみてはいかがでしょう。

 

 

カリカリチーズ

久しぶりの投稿になります。

こと5月に入ってからは、毎日忙しく、オーダーに追い立てられる日々が続いており、体力も消耗ぎみ。家に帰ってからは、まずいことにスカパーでやってた「まどかマギカ」の一挙放送を見てしまってからというもの、その陰鬱ムードに脳みそがおかされ続けています。

このように、ここ1,2週は心身ともにダウナー状態から中々抜け出せず、ふと鏡を見ると、首すじに魔女の口づけが、なんてことにはなりたくないので、なんとか気をとりなおすべく、メニューの紹介をしたいと思います。

こどもから大人まで、大変好評で、お酒のつまみとしてピッタリなのが、カリカリチーズです。これはその名の通り、チーズをカリカリに焼き上げたものです。よくグラタンなんかで器の端っこの方に、焼けたチーズがこびりついているのがあるじゃないですか。あれっておいしいですよね。あれをメニューにしたのがカリカリチーズです。

作り方は大きめのテフロンコートのフライパンにスライスチーズを並べて焼くだけです。

こう聞くと簡単そうに思いますが、やってみるとこれが意外と難しいんです。普通にやるとチーズがどろどろに溶けてしまって、見るも無残な料理になってしまいます。

ポイントは火加減。フライパンが冷たい状態からチーズを並べて、ふたをして、ごく弱火でじっくり時間をかけて焼くと写真のようにきれいに出来ます。火が強いとどろどろになったり、焦げ臭くなるので火はできるだけ弱くします。片面が焼けたら、へらなどでひっくり返してもう片面を焼きます。だいたい20~30分かかります。

あとチーズの種類もポイントでしょう。チェダーなどの固めのチーズを使います。

似たようなもので、グリコが出している「チーザ」というお菓子がありますが、あのパッケージの表記でいえば、このカリカリチーズは「100%」ということなので、あれよりも濃厚なチーズお菓子といえます。

このように家庭でもできるので、ぜひ挑戦してみて下さい。尚、作るのに時間がかかるので、お店で注文されるときはお早めにお願いします。

 

ザルコシスティス・フェアリー

昨年、焼肉店でのユッケによる食中毒事件をきっかけに、牛肉の生肉を提供するには非常に高いハードルが課せられました。

実質、出すなと言われているようなもので、保健所への届出が必要であったり、タバコのパッケージに書いてあるような注意書きをメニューに表示する必要であったり、ユッケ専用の調理スペースが必要であったり、今後ユッケを食べる機会はほとんどなくなっていくでしょう。

その代わりとして、注目されているのが馬肉で、生食でも安全ということで、当店でも以前から馬刺し、馬肉ユッケなどメニューに載せており、大変好評頂いています。

しかし、昨年、馬肉からもどうやら健康を害する寄生虫がいることがわかってきたようです。

それが「ザルコシスティス・フェアリー」という寄生虫で、症状は軽いのですが、嘔吐・下痢などが引き起こされるそうです。

しかしこの寄生虫は冷凍すると死滅することがわかっています。当店でお出しする馬刺しやユッケは、全て熊本の馬刺し専門業者さんから仕入れており、流通、および店での保管は冷凍状態であります。

安全なものを調理していますので、安心してご賞味ください。最近焼肉屋でユッケを食べていないという、生肉ファンもきっと満足頂けるかと思います。

 

スモーク オンザコンロ

お客様に好評頂いているメニューの一つに燻製料理があります。現在、ぶりかまのスモーク、スモークベーコン、エビのスモークをメニューに載せているのですが、これらは全て自家製です。今回、これらスモークの様子を簡単に紹介します。

スモークというと木の屑(ウッドチップ)を使うかと思いますが、欠点があります。煙を出し続けるためには、常にコンロの火かなにかで加熱を続けなければなりません。そうするとスモークする食材に火が入りすぎてしまいます。

すぐに食べる場合は問題ないので、店でもオーダーが入ってウッドチップでスモークしてとなると、時間がかかりすぎてしまいます。ある程度スモークの香りをつけておいて、オーダーが入れば簡単に加熱して出来上がりというのが理想です。

そこで写真にあるようなウッドチップを固めたスモークウッドを使います。これなら一旦火が点いて煙を出し始めれば、加熱することなく煙を出し続けてくれます。

これを専用のドラム缶の底におき、網をおいて、あらかじめ塩漬けして乾燥させた食材をのせて1,2時間じっくりと燻していきます。

ウッドチップに比べて煙は少ないですが、火を止めているので、食材には火が入りません。それでもスモークウッドには火が点いているので、熱はいくらか入ります。なので、写真のようになるべく熱源から食材をはならかしています。

スモーク中、煙は結構出ます。悪臭ではないですが、単純に木の燃える臭いです。これらの煙はもちろんダクトを通じて換気扇から戸外へと放出されます。仕込みの頃はちょうど小学生の下校時間なので、下校途中の小学生が換気扇の辺を歩くと、「いいにおい~」だとか「焼き芋のにおい~」とか聞こえてきます。中には「火事や~」と叫ぶ子まで…。たのむから消防には通報しないでくれよと心に祈りつつ…。でも付近に迷惑をかけているのは確かで、この場を借りてお詫びを。

こうして出来たスモークは密閉包装して、オーダーが入れば、グリラーやフライパンで加熱して提供となる次第です。

スーパーで売ってるようなベーコンなどと比べて、スモークの香りが強く、段違いにおいしいので、是非ご賞味を。本来アウトドア料理で、家庭ではなかなか簡単に出来ませんしね。またいろいろな食材にもチャレンジしていきます。